2日目は、NPO法人三陸ボランティアダイバーズ代表の佐藤 寛志さんから、岩手の海で起きている具体的な問題と、それを解決するための活動について講義を受けました。東日本大震災をきっかけに始まったこの団体は、海底清掃や磯焼けを防ぐための藻場再生など、様々な海の保全活動に取り組んでいます。特に、海藻の種子が入った「スポアバック」を海中に設置し、ウニなどに食べられないようにしながら海藻を育てることで、藻場を元気にする取り組みについて学びました。
子どもたちは、海の温暖化による生態系の変化(魚の減少や魚種の変化)といった初めて知る海の現状に真剣な表情で耳を傾けました。また人の手で海の未来を少しずつ変えていけることを知り「自分たちにも何かできるかもしれない」と考える大切なきっかけとなりました。
その後、普代浜園地キラウミ海水浴場に移動し、シュノーケリングを体験しました。三陸ボランティアダイバーズの皆さんの協力のもと、実際に海の中を観察し、魚や海藻など海の現状を直接確認しました。海への親しみを深め、安全に海と関わる術を学ぶとともに、海を守る活動の重要性を心に刻む貴重な機会となりました。
午後は、2日間の学習を振り返り、学びのまとめと共有を行いました。元小学校教員の伊藤 博之さんの指導のもと、班ごとにワークショップ形式で「岩手の海・ウニを守っていくために必要なことは何か」について議論し、発表しました。子どもたちからは「電気などを無駄に使わない」「海の清掃を行う」といった個人でできることや、「藻場を守るために海藻を育てる」「二酸化炭素を減らすために植樹をする」といった学校や地域でできることなど、具体的なアイデアが多数出されました。
最後に、今回のイベントとコラボレーションするウニの瓶詰商品で使用するオリジナルデザインとキャッチコピーの制作に挑戦しました。子どもたちは、「どんなデザインや言葉があれば手に取ってもらえるか」「海の大切さをどう伝えたいか」といった視点から、多くの人に魅力を伝えるための工夫を凝らしました。これらの作品は実際に商品パッケージやポップとして使用される予定であり、子どもたちは達成感を感じながら、自らの学びを発信することの重要性を認識しました。
今後、これらの商品販売会が開催される際には、今回参加した子どもたちも売り場に立ち、直接購入者の方々に自らの学びを伝える機会が設けられる予定です。